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伝統を誇る映画賞が「映像のまち」川崎市にやってきた。
ミューザ川崎シンフォニーホール(同市幸区)で8日開かれた第64回毎日映画コンクール(毎日映コン)表彰式。
ドレスアップした受賞者、東京交響楽団の生演奏、「おめでとう」の掛け声と拍手。
華やかな雰囲気の会場で、一般公募で県外からも訪れた観客とともに、新たな一歩を記した。
「川崎の皆さん、ありがとう」
「沈まぬ太陽」で日本映画大賞を受賞した若松節朗監督が舞台に上がって語ると、会場は大きな拍手で応えた。
若松監督は「長年、映像化困難と言われる作品で、時代が作らせてくれたと思う。
重過ぎる賞です」と感慨深げだった。
女優助演賞の八千草薫さんはサーモンピンクの加賀友禅姿。
「すてきなホールで華やかないい式だった」と笑顔を見せた。
田中絹代賞の高橋恵子さんはシックな黒いドレスで登壇。
「『映像のまち』にふさわしい式。
これからの女優人生を後押しし、力になる賞をいただいた」と喜んだ。
式を盛り上げたのはフランチャイズ契約を市と結びミューザを拠点とする東京交響楽団の生演奏。
指揮の飯森範親さんは、前回の日本映画大賞受賞作「おくりびと」に指揮者役で出演、市内で撮影されたドラマ「のだめカンタービレ」には指揮監修で携わった。
「歴史があって大好きな映画コンクールのセレモニーで演奏できて光栄に思う。
会場がミューザというのも、縁を感じる」と話した。
観客席から見守った映画ファンも喜んだ。
正午前に1番乗りしたのは前橋市の住谷智香さん(31)ら女性4人連れ。
「昨日は『横浜映画祭』を見て1泊し、映画祭のはしご。
松山ケンイチ(男優主演賞)は演技もうまく、若手の一押し」とスターの登場に歓声をあげた。
妹(74)と表彰式を見た川崎市幸区の三瓶美子さん(76)は「川崎で初めての映画祭で娘が応募してくれた。
『沈まぬ太陽』は本で読み、映画も見応えがあった。
『文化の川崎』のイメージを高めるため、何度も開催してほしい」と望んだ。
大阪市の男性会社員(45)は「会社を休んで来た。
優秀な邦画が多く、うれしい映画祭」と喜んだ。
【川端智子、網谷利一郎】
◇入場料支出額、年間で日本一--08年川崎市
毎日映コン表彰式の会場になった川崎市は07年秋から「映像のまち・かわさき」を掲げ、子どもを対象にした映像ワークショップや上映会などを開いてきた。
これまでの活動が評価され、会場に決まった。
市内には、日本映画学校(麻生区)や映像スタジオが点在し、ドラマや映画では何度もロケ地に使われるなど、映像文化と関係が深い。
08年の総務省家計調査では、映画・演劇の入場料支出額(年間1万1081円)が日本一で、市民の娯楽として映像が根付いている。
市は環境保全にも力を入れており、会場入り口にはレッドカーペットならぬ「グリーンカーペット」がお目見えした。
「映像のまち」の環境を守るため、表彰式会場に募金箱を設け、寄付を募った。
集まった浄財は、市公園緑地協会が運営する基金で、緑の保全・管理などに役立てる。
2月9日朝刊
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最終更新:2月9日11時0分
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