今、気になっていることは「福岡県からの旅行についてなんですが...」ですがこんなニュースがあります。

■発信される言葉の重み
公開中の映画「ウルルの森の物語」で、船越英一郎演じる主人公の獣医師のモデルが著者。
北海道にある環境省の「釧路湿原野生生物保護センター」で、絶滅の危機にひんしたシマフクロウやオオワシなど猛禽(もうきん)類を専門に、野生動物の治療や保護に当たっている。
2年前、NHKの人気番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演したので、表紙の革手袋姿に、見覚えのある人も多いだろう。
野生動物専門獣医師の草分けである著者の仕事は、「野のものは野に帰す」が目標。
なつかせてはいけない宿命を負いながら、著者は運び込まれる手負いの野生動物や死骸(しがい)から、けがや死因に人間がどうかかわっているかを読み取る。
著者が長年訴えてきたのが、鉛弾によるワシの中毒死問題だ。
一見、何の傷もないワシの死骸(しがい)を解剖したところ、胃から出たのがシカの毛と鉛の粒。
道内で増えすぎハンターに撃たれたエゾシカを、ワシが食べて鉛中毒で次々に死んでいることにいち早く気付き、国や道、新聞に訴えた。
オオワシやオジロワシの絶滅を食い止めるため、銅弾で代替する案も提示し、4年後にはついに道内でのシカ猟の鉛弾使用禁止を実現する。
著者は自らの仕事を、獣医師だけでなく、けがや病の原因を突き止める「鑑識」や、死骸の解剖から死因を突き止める「検死官」、さらに人間の活動が猛禽類の脅威になる場合には、鳥の立場で「スポークスマン」にもなると記す。
鉛弾のように、冷静にデータから原因を突き止め、解決のため行政やハンターとかけあう「交渉役」も果たしているのである。
「野生動物を相手にする仕事は、『かわいそうだ』という気持ちだけではなりたたない。
(中略)『その先になにが起こるか』まで、視野を広げなくてはいけない」
野生動物の生きる現場から発信される、著者の言葉は重い。
(講談社・1155円) 評・飯塚友子(文化部)
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最終更新:2月7日10時49分
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